Digital Design Studio 1.0.89:すっきり整った作業画面と、続きから再開できるPC上のプロジェクト

Digital Design Studio 1.0.89をリリースしました。ナビゲーション、設定、ショートカットを一つのデザインにまとめ、Windowsアプリでは、サインインしたユーザーならプランに関係なく、PC上のプロジェクトでGit、SystemVerilog、RTLの機能を使えるようになりました。アプリを閉じた後やオフラインで起動したときの編集の再開もスムーズになり、New Analysis画面とALcadの画面も改善しました。

記事の見出し

Digital Design Studio 1.0.89をリリースしました。今回のアップデートでは、毎日使う作業画面のナビゲーション、設定、ショートカットを一貫したデザインにまとめ、WindowsアプリでPC上のプロジェクトに対してできることを広げました。保存していない編集を保管・復元する仕組みも見直し、アプリを閉じた後やネットワークに接続せずに起動したときも、作業に戻れるようにしました。

同じ考え方を、New Analysis画面、Problemsパネル、ALcadの回路・SI/PI画面、AI画面にも適用しました。ウィンドウが狭いときや表示言語を切り替えた後でも、名前や文章が途中で切れたり、別の言語が混ざったりしなくなりました。

広く使えて、ツールが手元にある作業画面

Cloudのプロジェクトナビゲーションは、端をドラッグして好きな幅に変えられます。幅を狭めると補助的な情報から順に隠れ、最も狭くすると製品アイコンだけのレールに折りたたまれます。折りたたんだレールでも、プロジェクトの切り替え、ウィンドウ一覧、新しいウィンドウ、アカウントと使用量を利用でき、使用量はシンプルなパーセンテージで表示されます。アイコンにマウスを重ねるか、キーボードのフォーカスを移すと正式名が表示されます。QUOTA残高は、どのプランでも左下のアカウントのすぐ上に表示されます。

DDSエディターでは、表示メニューとコマンドパレットから左右のレールを個別に表示・非表示にでき、両方を隠した後でも元に戻せます。左右のサイドパネルにある+メニューで、使いたいビューをそのパネルへ移動できます。製品メニューには、Project Manager、RTL Analysis、Simulation、Synthesis、ImplementationなどDDSの作業領域を手順ごとにまとめたので、DDSでもALcadでも必要な作業へすぐに移動できます。

Explorerのヘッダーボタンをコンパクトにまとめ、フォルダービューと階層ビューを切り替えるトグルは、選択表示がスライドして移動するようになりました。Flow Navigatorの長い作業名は2行まで折り返して表示し、それでも切れる名前は、マウスを重ねるかフォーカスを移すと全体が表示されます。

統一された設定とショートカット

設定画面のスライダー、数値入力、トグル、ドロップダウンを一つのデザインにそろえました。スライダーと数値入力には−/+ボタンと現在の値が表示され、「デフォルト」ボタンで元の値に戻せます。フォント一覧のように項目が多いドロップダウンは一覧の中で検索でき、ALcadの設定にも同じコントロールを使います。

エディターとターミナルには、TTF、OTF、WOFF、WOFF2のフォントファイルを読み込んで使えます。読み込んだフォントはこのデバイスに保存されます。同じ設定を使う別のデバイスにそのフォントファイルがない場合は、既定の等幅フォントで表示されます。

ショートカットは、コマンドごとにメインとサブの2つまで割り当てられます。ショートカット表では割り当てを個別に追加・変更・削除でき、ブラウザーやOSが予約している組み合わせや、すでに使われている組み合わせは、その行ですぐに警告されます。設定したショートカットは、メニュー、コンテキストメニュー、コマンドパレット、ALcadのツールチップにそのまま表示されます。編集メニューには、元に戻す、やり直し、切り取り、コピー、貼り付け、すべて選択を追加しました。

アカウント、データ、QUOTAの設定を一か所にまとめ、使用量とQUOTAを一つの流れで確認できるようにしました。データコントロールでは、このデバイスに保存されたAI会話だけをJSONファイルとして書き出したり削除したりでき、その他の設定や復旧用のコピーはそのまま残ります。Cloudプロジェクトのエンジン設定とFlow設定は、実行環境を起動しなくてもプロジェクトに保存されます。

読みやすい色と、選んだ言語での表示

既定のライト・ダークパレットを調整しました。領域間の明るさの段階をそろえ、ダークテーマのナビゲーションは真っ黒から少し明るくし、境界線と影をやわらかくしました。既定の画面では、本文の文字は10:1以上、補助的な文字は5:1以上のコントラスト比を保ちます。Windowsアプリのウィンドウは、起動画面の色と保存済みのテーマを適用した状態で開くため、白い画面が一瞬表示されたり、テーマがちらついたりしません。

メニュー、文章、設定、ステータスバーは、選択した言語で表示されます。韓国語の画面に英語の語句が混ざらなくなり、韓国語の文章はすべての製品ウィンドウで単語の区切りで改行されます。Gitパネル、変更レビューのダイアログ、New Analysis画面、日本語と繁体字中国語の設定ウィンドウも、選択した言語で表示されます。

PC上のプロジェクトでできることを拡大

Windowsアプリでは、PC上のプロジェクトをWSLなしでフォルダーから直接開けます。1.0.89からは、サインインしたユーザーであればFreeを含むすべてのプランで、デバイスライセンスなしにGit、SystemVerilogの入力支援、RTL lint、モジュールツリーなどのローカル機能を使えます。プロジェクトの作成からTechnologyの選択までの流れを紹介します。

PC上のプロジェクトを順番に

各手順はWindowsアプリにサインインしていることを前提としています。Gitの機能にはGit for Windowsが必要です。

  1. 新しいプロジェクト

    ローカルパネルの「新しいプロジェクト」を選び、名前と保存場所を指定します。作成されるフォルダーをプレビューしてから、同じウィンドウでプロジェクトを開きます。使えない名前は理由が表示され、プロジェクトのパスは読みやすいWindowsのパスで表示されます。

    プロジェクトを開けなかった場合や復元できなかった場合のメッセージも選択した言語で表示され、WSLを確認するよう求めることはなくなりました。

  2. Gitリポジトリ

    Source Controlの「Git リポジトリを作成」で、プロジェクトフォルダーにリポジトリを作成します。最初のブランチはmainです。コミットの作成者には、まずリポジトリの設定を使い、なければグローバルなGit設定の名前とメールアドレスを使います。どちらもない場合は、アカウント情報を事前に入力したフォームで確認し、そのリポジトリに保存します。

    Gitの履歴では、ブランチ、作成者、日付、パスのフィルターがアイコンになり、選んだ値を要約して表示します。Gitとツールの確認は、コンソールウィンドウを開かずに実行されます。

  3. SystemVerilogを書く

    HintsBoxは、プロジェクトのシンボルに加えて、SystemVerilogのキーワード、システムタスク、コンパイラ指示子を提案します。$やバッククォート(`)を入力すると、システムタスクと指示子がすぐに表示されます。

    同じファイルまたはモジュールで宣言されたANSI形式の関数・タスクと、$fatalなどの標準システムコールでは、引数ヒントが表示されます。`timescaleや手続き内のif文・repeat文を使うテストベンチでも動作します。

  4. RTL構造とlint

    ExplorerのRTLモジュールツリーは、保存済みの.svファイルと.vファイルから作られます。Cloudと同じルールで、トップレベルの設計、テストベンチ、その他のモジュールを分けて表示します。ファイル500個、ソース合計16 MiBまで扱い、それを超えるとツリーの代わりにお知らせを表示します。

    アプリに含まれるRTLコンパイラで、lintと診断をすぐに確認できます。

  5. Technologyの選択

    プロジェクトのTechnology(PDK)を、WSLなしでプレビュー、切り替え、元に戻すことができます。プレビューではプロジェクトは変更されず、選択したTechnologyはアプリを再起動しても保持されます。

サインイン状態ごとに使える機能

Windowsアプリのヘッダーには、固定の「Free」表示ではなく、現在の利用状態が表示されます。

  1. サインイン済み

    Freeを含むすべてのプランで、PC上のプロジェクトのローカル機能をデバイスライセンスなしで使えます。

    • Gitリポジトリの作成、履歴と変更の確認、コミット

    • SystemVerilogの補完と引数ヒント

    • RTL lint、コンパイラ診断、RTLモジュールツリー

    • レポートの読み込み、KLayoutビュー、外部エディターの設定

    • 独立した設定ウィンドウと、エディタータブの新しいウィンドウへの切り離し

  2. オフラインで起動

    保存済みのアカウントで起動し、アカウントサービスに接続できない場合でも、作業画面が開き、ファイルの編集と保存を続けられます。サインインが必要な機能は一時停止し、接続が回復してアカウントが確認されると自動的に有効になります。

    アカウントの確認に3秒以上かかる場合も、待たずに作業画面を先に開きます。その間に行った編集は、同じアカウントが確認されるとそのまま引き継がれます。

  3. サインインなし

    サインインしていなくても、PC上のプロジェクトのファイルを編集して保存できます。サインインが必要な機能は、ヘッダーからサインインすると有効になります。

閉じて開き直しても続けられる編集

Windowsアプリを閉じるとき、保存していない編集がどうなるか、もう一度開いたときに何が戻るかを画面で案内するようになりました。各ステップを選ぶと、動作の詳細を確認できます。

アプリを閉じてから編集が戻るまで

保存していないファイルの編集はこのPCに保管され、同じアカウントでプロジェクトを開き直すと戻ります。

01アプリを閉じるアプリを閉じる02コピーを保管コピーを保管03終了時の確認終了時の確認04再起動再起動05アカウントの確認アカウントの確認06編集の復元編集の復元01アプリを閉じるアプリを閉じる02コピーを保管コピーを保管03終了時の確認終了時の確認04再起動再起動05アカウントの確認アカウントの確認06編集の復元編集の復元
  1. アプリを閉じる

    ウィンドウを閉じると、開いているエディターが、保存していない編集の復旧用コピーをすぐにこのPCに書き込みます。

  2. コピーを保管

    復旧用コピーは、ファイルごとに1 MiBまで、プロジェクトウィンドウごとにファイル128個・合計4 MiBまで保管されます。この範囲を超える編集や、ストレージに書き込めなかった編集がある場合は、終了時の確認でお知らせします。

  3. 終了時の確認

    終了時の確認では、保管した編集は同じアカウントでプロジェクトを開き直したときに復元されること、新しいウィンドウで開いたエディターの編集やコミットメッセージなどの入力は失われることを説明します。

    保管できなかった編集がある場合は、「今後表示しない」を選んでいても、先に保存するよう警告します。

  4. 再起動

    アプリを再起動すると、新しいウィンドウに切り離していたファイルが一度メインのタブに戻り、プロジェクトごとに保存した下部パネルのレイアウトも復元されます。

  5. アカウントの確認

    オフラインや低速な接続で起動し、アカウントの確認を待っている間に行った編集も保管されます。同じアカウントと組織が確認されると引き継がれ、別のアカウントに渡されることはありません。

  6. 編集の復元

    保管した編集は、同じアカウントでプロジェクトを開くと、それぞれのファイルのタブに再び表示されます。復元しただけではファイルは保存されないため、変更内容を確認してから保存してください。

わかりやすくなったNew Analysis画面

New Analysisには、エディター領域の中に独自のビュー一覧ができました。解析設定、解析ツール、保存済み RTL、UVM、FDTD2D、レポートの読み込みなどのビューを一覧から選べ、ビューを切り替えても入力、実行中のジョブ、結果はそのまま残ります。設定と結果は行単位の表で確認でき、開始ボタンは上部のヘッダーにあります。

現在の環境で提供されていないビューは一覧で「利用不可」と表示され、そのビューの中だけに「この環境では利用できません」と表示されます。エディタータブの1つで問題が起きても、そのタブの中に「再試行」と「タブを閉じる」が表示され、タイトルバー、パネル、ほかのタブは引き続き使えます。

Cloudの解析リクエストが拒否された場合は、再サインイン、プロジェクト所有者の権限、QUOTAなど原因に応じた説明を表示し、エラーコードは別の行に表示します。Cloudのサーバー解析はこのバージョンでは提供しておらず、リクエストするとその旨が表示されます。

Problemsパネルは共通の検索フィールドを使い、列見出しと重大度を選択した言語で表示します。プラグインカタログではカテゴリーをドロップダウンから選び、プラグインを選ぶと、開いているファイルの隣にエディター領域のタブで詳細が開きます。ISA設計では、CX幅の不一致を、設計をRTLに渡す前に診断として報告するようになりました。

ALcadの回路とSI/PI画面

ALcadはDDSと同じヘッダー、メニュー、設定コントロール、読み込み画面を使います。回路のスタート画面では、プロジェクトに保存した「マイ回路」と公式の「回路サンプル」を切り替えて開け、SI/PIのナビゲーションも一か所にまとめました。参照名、モデル、パラメーター値、単位などの部品プロパティはコンパクトな表で確認・編集でき、SI/PIの結果とプロジェクトのドキュメントも選択した言語で表示されます。

デジタル回路図では、ネット名、ピンラベル、配線が重ならないように配置するようになりました。コンパイラが生成した長いネット名は短縮して表示し、正式名はヒントとプロパティで確認できます。ネットごとに配線トラックを分け、分岐点やほかのネットとの交差を区別して描画します。フィット表示では、開いているパネルに隠れないように回路図を配置します。

その他の変更

タブのドラッグ&ドロップ:エディタータブを別のタブ列にドラッグしても、ドラッグ中のタブは見やすいままで、ドロップしたときにほかのタブが跳ねなくなりました。ISAのタブ列でも、タブが置かれる位置をプレビューします。

プロジェクト設定タブ:DDSとALcadのプロジェクト設定タブをコンパクトにし、保存ボタンと既定値に戻すボタンを上部に固定しました。

Cloudプロジェクト一覧:WindowsアプリのサイドバーにあるCloudプロジェクト一覧は、ダークテーマでも読みやすい共通のドロップダウンを使うようになりました。共通ドロップダウンで選択中の項目は、ライト・ダークどちらのテーマでも4.5:1以上のコントラスト比を保ちます。

ターミナルのお知らせ:ターミナルを使えないプロジェクトでは、その理由と対処方法を選択した言語で案内します。PC上のプロジェクトでは、PCのターミナルアプリを使うよう案内します。

1.0.89では新機能の追加とあわせて、使い慣れたツールを見つけて行き来する操作と、途中の作業に戻る流れを改善しました。

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